宮城県 樹木の再生|ケヤキの木

暴れるように伸びていたケヤキの木。見ていてとても苦しそう、とお施主様よりご相談いただきました。
 
写真は2018年11月に初めて伺った時の様子です。
 
 

繰り返し行われてきた強い剪定、その力に反発するように枝を伸ばしています。よく見ると幹肌もくすんだ色をして、皮がめくれているのが目立ちました。

「これまで入っていた庭師さんが随分と切る人だった」ということでしたが、本当に沢山のプロの方がこういった強い剪定を行っています。生垣などはバリカンを使ってガチガチにされているし、翌年まで管理に入れないものだからそれを見越してチョンチョンに切られている姿もよく見ますね。

見た目や手間、予算を考えてのことで、悲しいかなこういった剪定が一般的になっていますが、植木屋さんがこのままではいけないと思っています。

実際にそういった需要が多いのも事実。それでも、お客様は他の選択肢を知らないだけなんじゃないかと感じています。

 

風の剪定をすることで、植物も気持ちよく元気に育てるし、管理されるお客様にとっても実はメリットが沢山あるんです。

年々切る枝の量が減ること、剪定した枝葉はチップにしてグランドカバーとして撒くため(大地を保護するカバーになり大切なケア)、まず処分費がかからなくなってきます。植物が元気になることで、害虫と呼ばれる嫌気性の虫たちも大量発生することがなくなります。

 

持続可能な循環型の社会、こういった提案ができるのは植木屋だからこそ。庭師も変わっていかないといけないと思います。

 

この後3度の剪定と、地下の空気と水の循環を整える環境改善作業(大地の再生)を講座形式で行いました。

そして2021年4月

ビュンビュンと暴れるように伸びていた枝ぶりが細やかになっているのがわかりますか?
ほとんど剪定が必要がない程に落ち着いてきています。
 
ポロポロと剥がれかけていた幹肌にも艶が出て、元気な様子を見せてくれるようになりました。
 
 
そしてこちらの現場での環境改善作業から2年後。印象的だったのはレンガの石畳にあった泥の膜が消えたことでした。
人が磨いた訳ではありません。循環機能が働くようになったことで、日々の雨風によって綺麗に洗い流されました。
2021年4月の作業では更にこの循環の脈をメンテナンスで改善しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その後、夏や秋の様子をオーナーのT様が送ってくだった写真です。
 
 
 
立派なケヤキと向き合う機会を頂きました。本当にありがとうございます。